フジロック

仕事が絶不調のまま週末に突入しようとしていた金曜日。夜20時からフジロックの配信があり、そこでもう仕事モードは途切れてしまった。

 

2012年に初参加したフジロック、何年か仕事の都合で行けなかった年や、日帰りした年もあるけれど、それ以外6回くらい?は参加している。

近年は、小さなステージの脇のバーでバイトをしているので、完全に自由に回れているわけではないのだが、それでも「フジロックに参加している」という気持ちは、単にお客さんとして来場するよりも強く感じているような気がする。

私はフジロックが大好きで、毎年夏に苗場に行くこと、そこで仲間とすごすことを本当に大切に感じている。盆と正月が一年の節目になっているのだとしたら、私の暦には「フジロック」と「朝霧jam」がその代わりをしているとすら言っていい気がする。

 

そんなフジロックが今年は開催されない。となると、本当に調子が狂ってしまう。なにかぽっかり穴が空いているような、時間がすぎているのか止まっているのかわからないような感覚で、2020年は後々振り返っても奇妙な年になるのだろう。

配信を見ていたら、冒頭で大将の(正しくはスマッシュ代表?肩書きとかあるのかな)の日高さんのメッセージが流れ、その魂のこもった言葉に不覚にも涙が出そうになった。日高さんがいうには、ここ数年フジロックが岐路に立たされている予兆を感じていたそうだ。特に去年の2日目は豪雨により会場を流れる川がほぼ氾濫し、橋が流されるなどの大損害で、本当に中止にしようとしていたらしい(私も宿泊していたテント脇の道路が川と化していて結構怖い思いをした)。そして10月の朝霧jamは台風で中止となった。20年も続いていたら、人生と同じで、うまくたちゆかなくなることもそりゃあるだろう、と日高さんは言っていたのが印象に残った。(ただ、こういう病気がくるとは思わなかった、とも言っていた)

自分の口でこういう風に熱量のある言葉をどうやったら発することができるのだろう。気持ちと言葉が一体になって、しっかりまっすぐに伝わってくる感じ。言葉からすでに音楽だしロックなんだよな。かっこいいな。

 

配信そのものは、もしかしたらそんなに楽しめないかも、と思いながら見たけれど、毎年参加している友人とLINEをしながら見たら、最高に楽しかった。このときみんなで見たよね、とか、この年俺行けなかったんだわ、とか。当時の写真を共有して、みんな若い!なんて笑ったりして。今年は中止になってしまったけれど、こうやって今までの振り返りとして、思い出話に花が咲く機会も、中止になってこそだと思うから、これはこれで楽しみたいと思った。

 

今日はまさにその友人たちとBBQをしていたので明日の朝のリピート配信を楽しみに寝る。久しぶりに幸せな気持ちで夜を迎えられているような気がする。