9月

とにかく今月は仕事に追われる1ヶ月だった。特に2週目と3週目にかけてミスれない撮影が連続で続き、その後もセレクト作業など、神経を研ぎ澄ませないといけない仕事が続いたので本当に疲れたしすり減ってしまった気持ちだった。忙しい時は、自分を自分で許したり、鼓舞したりする行程がどうしても省かれてしまったり、とてもじゃないけどそういう気分になれずにどんどん自己嫌悪に陥ってしまったりする。そして部屋が汚くなり食生活が乱れ、睡眠時間が乱れ...という負の連鎖をバッチリなぞってしまった1ヶ月だった。10月もそれなりに忙しそうだけれど、少しペースが落ち着きそうなのと、私はこの季節が好きなので、楽しんですごせたらと思う。しかしあと3ヵ月で今年が終わるというのが全然信じられない。

 

先週の連休から今週にかけてはZINEの制作にも取り組んでいて、それが癒しになっている。癒しというと違うのかしら、心地いい刺激みたいな感じだろうか。自分の作品と友人の作品両方のデザインを思案中なのだけれど、仕事とは少し離れて自由に何かをつくることができるのは気持ちがいいなと思う。正確にはひとつは友人のものなので、仕事と同じくらい責任感とかも感じるけれど、2人で話し合いながら進められることが純粋に楽しいし、彼がとてもしっかりしているので(私は甘えっぱなしなのも申し訳ないと思いつつも)安心だったりもする。発表は11月末なので、それまで楽しく有意義な日々が続きそう。自分の作品がまだまるでできあがってないしどうしようか迷っていることだけが気がかりである。

 

どうやら恋人も仕事が忙しいようで、この二週間くらいはあまりコミュニケーションが取れない日々だった。少し連絡が来なかったり間がいつもよりあいてしまうだけで、不安になってしまうものなんだ、と、自分の意外な面に驚いてしまったりもした。

特に昨晩、彼の家の近くでたまたまご飯を食べていて、たまたま彼も近くにいたので会ったのだけど、なんとなく相手から会いたくないオーラが出ていることを察知してしまい、特になにも話さないまますぐに別れてしまった。こちらの思い込みの可能性もあるし、相手の少しの態度を大げさに感知するのはバカバカしい。年上なんだからもう少しどんと構えていたいものだけど、どうしてもそういう態度やオーラを目の当たりにするとひるんでしまう。

今日は久しぶりにご飯を食べてカラオケに行き、いつも通り楽しくすごせた。不安は少しは解消したけれど、結局私はいつも、この恋はどういう終わり方をするんだろうみたいなことを考えがちで、そういうのやめたほうがいいなと思ったりもした。

 

芸能人の自死が相次いでいることに、心が傷んでしまう。7月の三浦さんの一件が衝撃で、しばらく感情がぐらついてしまったので、今回はなるべく情報に触れないようにしたり、あまり深く考えないようにして、なんとなく平静を保って1日すごせたものの、やっぱり信じられないしショック。知名度のある方でこれだけ続いているのだから、一般社会においても今年は自殺者が増えていたりするのだろうか。それとも芸能という職能柄、このコロナ禍において孤独を深めてしまったのだろうか。

私自身、9月は忙しかったことに加え、その過程で自信が極めて削ぎ落とされてしまって、結構しんどかった。特にリモートワークで家で一人で仕事をしているときにやばくなりがちで、感情が処理されないまま積もってしまう感覚がある。やばいと思ってオフィス出社を多めにしたら、やっぱりかなりスッキリしたので、人と話すこと、特に他愛ない雑談をすることが私にとってはストレス発散なのだろうなと自覚した。

悩んでいるときや落ち込んでいるとき、その悩みそのものは、そもそも解決の見込みがなかったり、難題だったりするから悩んでいるのであって、それを消し去ろうとしても無理なのだなと思う。悩みは悩みとして受け入れ、自分の心の中に悩みの保管場所を作っておき、あとはその悩みに自分全てを支配されないよう、他の空間をしっかり確保することが大事なのだなと感じる。それは私にとっては他人と雑談することだったり、音楽を聞くことだったり、散歩することだったりするし、人によってそれぞれ違うのだろう。そういう余白の部分をコロナは奪っていったのかもしれない。10月からは都内でもGoToキャンペーンが実施されるというし、今年いちばんの解禁ムードになってくると思う。それが誰かの救いになってほしいと思うし、同時にまた冬にかけて爆発的流行がおきないようにと願う。